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Essay 想念草子

2005 2006 2007

2006.10.2()小雨のち曇り。肌寒い。十一時二十分、アトリエ。

気持ちが動揺している。そのせいか、胸に違和感。四六時中、気になる。原因は、わかっている。わかってはいるが、どうしようもない。逃げ出すわけにはいかない。

もっと、楽に生きて行けるのに、わざわざ、苦労を背負い込んでいる。ドジで間抜けな人生だ。運命神経症。昔、本で読んだことがある。笑い事じゃない。自分のことは思わなかった。

掌を、拡大鏡で見たことがある。なるほど、生命線に、横線がたくさん入っている。若いときから、苦労の連続だ。とはいえ、手首近くは、かなりきれい。晩年は、平穏に暮らせるような気もするが、はたして、どうだろう。

手相の見て、自分の人生を慮る。そうとう弱気になっている。元気を出せ!





2006.10.4()くもり。寒くも暑くもない。過ごしやすい。十時半、アトリエ。

「想念草子」は、2002年から書いている。その前には、雑記帳。当時は、世間や他人への不平、不満、悪感情をためらいなく言葉にしていた。書くことで、かろうじて、心の平衡を保っていた。しかし、あとで読んでみて、嫌な気分になった。いわば、天に唾する行為だ。以来、気分が悪くなるような事柄は、一切書かないことにした。

言葉は、両刃の剣。罵詈雑言は、他人のみならず、己をも傷つける。感情的になって、乱暴な言葉をつかうべきではない。とはいえ、惹起する想念を、押しとどめることはできない。言葉と感情と表象、これらは一体化している。抑圧すれば、苦しくてしょうがない。

考えないことだ。いや、そう思っても考えてしまう。だから、ほかの事に集中する。リラックスして数を数える。自己流の瞑想法だ。これが、最良の方法だろう。





2006.10.6()雨。台風の影響。十一時半、アトリエ。

精神的に参っている。書く気になれない。四六時中、**のことが頭にある。はっきり言って、もう勘弁してもらいたい。とはいえ、逃げ出すわけにはいかない。八方塞で、ジレンマに陥っている。

いっそのこと、病気にでもなってしまえばいい。そうすれば、この状態から、開放される。逃げることばかり考えている。気持ちが、後ろ向きだ。

こんなに閉塞したのは、久しぶりだ。六年前は、頑張りすぎて、ストレスを溜め込んだ。そのせいだろう、眼病を患った。四年前には、その病気が増悪して、死ぬほど恐ろしい目にあった。

いまは、血圧が高いのが、気になる。とはいえ、健康不安で、行動が抑制されるほどではない。無理さえしなければ、普通に生活できる。だから、問題は、精神だ。気の持ちようで、突破できる事柄だと思っている。

これまでも、逆境の中を生きてきた。志を、強く持つことだ。歩行、写真、文章、瞑想。もっと集中しよう。





2006.10.9()晴れ。穏やかな秋晴れ。十一時半、アトリエ。

わかりそうで、わからない夢。大きな倉庫、あるいは、デパート。衣服を入れた荷物がない。みなで、騒いでいると、責任者が来る。事細かに、値段などを聞かれる。弁償してくれるかもしれない、と思う。

場面が変わる。バーゲン会場。自分の衣服を探す。品物をあさる。気に入った柄のセーターを、一枚確保する。しかし、これは、自分のではない。着るものはなくなったままだ。弁償してくれないかもしれない。不安に思う。

もうひとつ。女湯の脱衣場。狭い空間に、素っ裸の女性がたくさんいる。ちゃんなどもいる。劣情をもよおす。こそこそと、トイレに入る。和式便器の横に、便がついている。汚い。その奥は、キッチンで、鍋が火にかけられたまま。グズグズ煮立っている。急き立てられている感じ。

不道徳な夢を見たとしても、恥じ入る必要はない。夢には、悪を相殺する力がある。こわいのは、夢と現実との境が、わからなくなったときだ。





2006.10.11()くもり。午後から崩れそう。十一時十分、アトリエ。

日課をこなすことに、追い立てられている。月水金の、想念草子。火木土日の、歩行と写真紀行。たいしたことじゃない。一頁、書けばいい。しかし、それしきのことが、負担になっている。

もっとも、ほかに、やることがたくさんある。**、数息、日記、食事、風呂、洗濯、掃除、睡眠。キリもない。

あらかじめ、書くことがきまっていれば、一頁くらい、あっという間だ。ただし、今日のように、パソコンを開いた時点で、頭がからっぽだと、書くのに時間がかかる。いや、イライラする。

一日、一頁書く。これは崩せない。とはいえ、生活がバタついているときには、かなり負担。ならば、サボればいい。ところが、それができない。融通がきかない。自分で自分の首を絞めている。

日々平穏に生活する。その上で、写真を撮り、文章を書く。正直言って、そういうふうには考えていない。歩行、写真、文章、瞑想、この四つが、生活より上位にきている。

むかしは、それが芝居だった。精神構造が、まったく変わっていない。それでいい。変えるつもりがないらしい。生活を楽しむことが、人生の目的とは、どうしても思えない。





2006.10.13()晴れ。薄い雲がかかっている。さわやか。十一時二十分、アトリエ。

夢を、たくさん見ているような気もするが、まるで覚えていない。夜中に目覚める回数も少なくなり、ぐっすり寝ているようだ。気がつくと、朝になっている。いい傾向だ。

**負担が増えたせいか、写真紀行の執筆が追いつかない。いきおい、手を抜くような感じになっている。もっとも、時間があったとしても、書けるとはかぎらない。

一時間で一日分を仕上げる。その程度の筆力は、あるような気もするが、問題は、集中力だ。

小学生の頃、作文の時間が、恐怖だった。まったく書けない。原稿用紙が前にあると、言葉が浮かんでこない。あせるばかりで、時間がどんどん過ぎていく。ほかにも、音楽、図工、書道、これらも憂鬱だった。

その後、何十年かたって、克服できたのは、唯一、作文だけだ。もっとも、それとて、数年前のことだ。自分で書いて、自分で読む。そう決めたときから、文章を書くことが、苦痛ではなくなった。

この想念草子も、そのうち、ゆっくり読み返してみるつもりだ。自分という他人の話を聞いて、無聊を慰める。おそらく、無性に、人恋しくなったときだ。





2006.10.16()晴れ。雲ひとつない青空。さわやか。十二時、アトリエ。

朝から、ブログ画像の拡大操作。日課を、すべてサボる。しかし、けっきょくは、未解決。諦める。

どうでもいいことに、気持ちが奪われている。書きたくない証拠だ。





2006.10.23()雨。一日中降っている。肌寒い。ヒーターをつける。午後、一時。アトリエ。

この曜日、この時間帯に、想念草子を書くことは、まずない。生活が変わろうとしている。理由は、プライベートに関することだから、書かない。

これからは、曜日に関係なく、曇りや雨の日には、想念草子を書くつもりだ。まさに、晴耕雨読。もっとも、晴れの日に、入間川に出て、写真を撮ることが、「晴耕」とはいえないかもしれない。生産的なことは、なにひとつしていない。

写真にしろ、文章にしろ、メシの種にはならない。ほとんど、趣味の範疇だ。ということは、仕事もしないで、ぶらぶら遊んでいる。他人に目には、そう映っている。

芝居をやっていたときも、うしろめたさを感じていた。カネにもならないことに、熱を上げている。世間的には、道楽にしか思えないことだ。

自尊心が強いから、はなから、売れるような作品を作るつもりはない。一種の、芸術家を気取っている。ところが、その芸術作品が、じつに、お粗末。「質の高さ」を求めているのに、これじゃ、身も蓋もない。

まずは、自分自身を納得させることだ。とことん、納得のできるまでやる。銭金の問題じゃない。これはもう、職人気質だ。いや、自分の性質からして、職人気質に徹するほうがいい。わき目をせずに、コツコツやるしかない。





2006.10.24()雨。肌寒い。九時、アトリエ。

HPのリニューアルを始めた。いちおう、新しいスタイルがきまり、あとは、個々のページを更新するだけだ。とはいえ、これが大仕事。なにせ、ページ数が多すぎる。

去年の春先に、自力でHPを作った。正直言って、デザインのセンスが、まったくない。いきおい、画像と文章だけの、素人っぽいものになった。それが、最近になって、鼻についてきた。嫌気がさしてきた、といっていい。あまりにもダサすぎる。

あかぬけたHPがたくさんある。アパレル通販やブランド、芸術家のサイトは、それこそ、目を見張るものがある。ただし、作り方が、まったくわからない。専門的な技術やセンスがないと、手も足も出ない分野だ。もっとも、カネを出して、ウエブデザイナーに依頼するという手もある。カネの多寡によって、それなりのものは作ってくれるだろう。

とは言うものの、HPで、カネを稼ごうとは思っていない。だから、カネをかけるのがバカらしい。これが本音だ。素人っぽいものになってしまうのは、仕方がない。それでも、今回は、さる高名な写真家のサイトを参考にした。センスが、全然ちがう。うなってしまった。マネすらできないが、いくつか、パクれるところはパクった。

新しいスタイルがきまると、以前のものが、なおいっそう、恥ずかしくなった。ひどすぎる。限度を越えている。一刻も早く、全面リニューアルしたい。ところだが、そうもいかない。膨大な作業だ。思っただけでも、うんざりする。それに、ほかにも、やることがある。リニューアルなどは、いわば、どうでもいいことだ。

一日、一ページずつ更新する。そう決めたが、気持ちとしては、今すぐにでも全面リニューアルしたい。





2006.10.27()くもり。肌寒い。十時五十分、アトリエ。

久しぶりに、夢の記述。一流企業の就職試験。採用されないが、子会社へ推薦される。書面をじっと眺める。電子機器の会社のようだ。自分には、専門技術がない。しかも、三十歳を過ぎている。畑違いだ。採用されるのか、不安。営業経験が少しあるから、それをアピールしよう。あれやこれや考えている。

平常心に戻りつつある。気持ちの整理がついたようだ。いつものように、夢の記述ができる。ただし、ほかにやることがたくさんあるので、銘記に積極的でなかった。細部を、ほとんど思い出せない。

もうひとつ、頭に残っている夢がある。それは書かないことにしよう。**であるような、はたまた、**であるような女性と、布団の中でいちゃついている。思い出したくない。

HPのリニューアルは、一時保留。ほかに、優先することがある。冷静になっている。いつもの自分だ。



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